ただいまリフォーム工事を進めていますが
この家は50歳
わたくしよりも先輩になります。
だから当時の大工さんが当時の考え方で施工したわけですが
この50年の年月が「これじゃいけないよ」って言う進化を教えてくれます。
昔は柱に45センチ間隔で横穴をあけました。
主な理由は壁下地を入れるため
歪みを抑えるため
しかし現代ではこんなことしません。
壁下地を入れたいからと言って構造耐力上重要な柱に穴なんかあけちゃダメです。
歪みも別の考え方で押さえます。
穴開けたらせっかくの10センチの柱の耐力はは7センチ程度の柱の耐力になっちゃいます。
これは3次梁と言って
梁で梁を受けちゃってます。
これもダメ
基本的に梁は柱で受けるもの
左の〇は一番荷のかかる場所の柱をとっちゃってます。
これがわたくしが何度も言ってますが
「大工さんは柱をとる方法は知っていても構造上重要なことがわかってない」
どこかのタイミングでこうしたのか新築時でこうしたのかはわかりませんが
これはダメです。
右の〇を見ると
この柱は先ほどの梁の荷重を中間でしかも削られて背負っています。
この柱一人で頑張ったんだな~と今までご苦労様です。
今度はこの変な梁組全部直しますのでご安心を
このお話しはこの大工さんにダメだしするのではなく
こういった経験が現代のわたくしに引き継がれてどんどん良くなっていくし
我々が後世に伝えていかなければいけない技術なんです。
難しい話ですが
木造というのは現場加工が容易です。
だから一度くみ上げてから「やっぱりこうしよう」ってなわけで
構造を無視して、大工さんの「柱抜き」工法を使って
何とかなっちゃうものです。
あくまで何とかなるだけで、ちゃんと構造上強いかどうかは別の話
なぜって
そこのその大工さんはすまないから
抜いていい柱は基本的にはありません。
今回のこの家抜いちゃいけない柱が痛めつけられてて
むしろ耐力上不要な「間仕切り」だけに建てられた柱がたくさんあります。
この後すっからかんになるとわかりますが
重要な柱が少ない
この後この家は新規に柱を23本建てます。
もはや新築
構造を無視したリフォームは危険だということがお判りいただけたでしょうか?